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細胞には複数のオルガネラ(核、細胞質、ミトコンドリア等)が含まれており、各オルガネラの熱物性を測定や推定することが求められている。これらの微細な細胞の従来の熱物性推定方法としてはナノダイヤモンドや蛍光タンパク質等の感温性ナノ粒子や共振型温度センサやサーミスタなどの微細加工センサが挙げられるが、これらは空間分解能、温度分解能、応答速度、非侵襲性という観点で、全ての要素を満たす方法が存在しないという課題があった。 本発明は微細な電極をアレイ化した熱物性推定装置を作成し、その装置にて各電極から得られる熱分布情報と、温度変化情報を複数取得して、熱伝導方程式を解くことで、熱物性パラメーターを推定することに成功した発明である。本発明を用いることで、複数のオルガネラ一つ一つの熱物性を高感度、高速、非侵襲で、測定や推定することができる。
近年、動物愛護の観点から、医薬品・化粧品開発における動物試験を削減する動きが加速している。その結果、動物試験の代替として、ヒト生体に近いin vitro評価法への転換が国際的に求められている。生体模倣システム(MPS)は、マイクロ流体技術とヒト細胞の組み合わせにより、臓器レベルの生理機能を再現する次世代のin vitro評価法として注目を集めている。MPSで生体内の環境を再現するには、酸素等の培養液中の溶存ガスの濃度やpHを適切に制御する必要がある。 発明者は、酸素濃度とpHの2次元平面分布を自在に独立制御可能なデバイスを開発した。本発明は、酸素濃度やpHの勾配が生じている微小空間における細胞動態の解明等への活用が期待される。加えて、例えばがん組織における低酸素や低pH環境を再現するデバイスとして、がん罹患時の生体に近い環境で抗がん剤の薬効評価や毒性評価を行うことが可能となる。上記を含めた、様々な用途におけるOrgan-on-a-chipとしての活用が期待されている。 本特許は未公開であるため、知財契約締結後に明細書開示等が可能となります。
圧電セラミックスや圧電ポリマーを素材とした圧電感応型センサの開発が進められている。そのなかでも、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)は(CH2-CF2)の繰り返し構造からなる半結晶性高分子であるが、安価で優れた柔軟性をもつことから注目されている。さらなる圧電特性の向上が求められているなか、とりわけその柔軟性を損なわずに素材の改良が検討されてきたが、これまで産業界のニーズを満たす材料開発にはいたっていなかった。 研究を重ねた結果、圧電特性の大幅な向上を実現する改質PVDFの開発に成功した。原料となるPVDFに添加物を加える調合工程を設けることが新素材開発を可能にした。従来この素材がもつ優れた柔軟性を損なうことなく、圧電特性が増大することを確認している。これにより、より高感度なセンサ開発の道が拓かれ、医療機器産業やロボット産業での応用が期待される。
工場、マンション、病院、商業施設、浄水場やビルにおいて、揚水ポンプを使った高置水槽への揚水が行われているが、ポンプによる揚水は電力を大きく消費してしまう。 そこで本発明では、高圧流体を液体貯留部に供給して内圧を増加させることにより、液体を高所へ移送する揚液システムおよび揚液発電システムを提案する。 ■発明のポイント ・従来の揚水ポンプと比較して電力消費を大幅に削減 ・可燃性ガスを用いる方式と比較して高い安全性と取り扱い性を実現
発明者らはこれまで独自の亜臨界分離技術を開発しており、新しく確立した 室温付近での二酸化炭素–エタノール–水の3成分溶媒系における相平衡の 推定手法との組み合わせにより、藻類由来の油分を効率的に抽出する条件設計が可能となった。 そこで本発明では、亜臨界流体とフィード溶液(アルコール水溶液+藻類) とを混合することにより、油分を高濃度に含む気相と、クロロフィルおよびフェオホルバイドを高濃度に含む液相とに分離する、クリーンな機能性成分抽出技術を提案する。 ◎安全性の向上 :毒性を持つフェオホルバイドの気相中濃度を低減し、藻類由来の機能性 成分(油分)を用いた医薬・食品・化粧品等の安全性を確保 ◎酸化・熱劣化の抑制 ◎省エネルギー :高温条件である従来法に比べ、エネルギー消費を削減 ◎低環境負荷 :使用するのは水、エタノール、二酸化炭素等の環境溶媒のみ
発明者らはこれまで、安心安全な医薬食品素材の製造に向けて、ひとや環境に優しい3種のグリーン溶媒(二酸化炭素、エタノール、水)に基づく高圧気液平衡関係を利用した分離法(亜臨界溶媒分離法)を独自開発している。一方、超臨界・亜臨界流体を用いた製造プロセスにおいては、背圧弁の出口側において超臨界流体が断熱膨張することから、スラリーの凍結とそれに伴う閉塞が発生し易く、生産性が低下し、メンテナンスに要する時間や費用が増大するという問題があった。 ここで提案する超臨界・亜臨界流体装置は、分離抽出用カラムにおける気相側と液相側とで圧力差を生じさせる構成を採用することで、上記問題を解決し、生産性及び安全性に優れた製品製造/機能性成分抽出プロセスを提供する。 ◎連続的な分離回収による高生産性を実現 ◎スラリーを処理できるため、前処理に要する手間、時間の削減&目的物質の変性が起きにくい ◎有害な有機溶媒を含まないため安全性に優れる
従来のマイクロ流体デバイスは、平面基板上に、半導体製造技術であるリソグラフィ法を利用して作製されてきた。しかし、平面以外の流路構造を作製できないという課題がある。発明者らは、回転熱延伸装置を開発し、これを利用して立体構造を有するらせん流路、あるいはマイクロコイルファイバーを製造した。さらに、その用途(例:電気泳動)も考案された。 本技術のポイント: ・柔軟的なデザインが可能:ファイバーの材料(高強度、弾性材料の選択)、サイズ、ピッチ(コイルの間隔)、中空部分の形状(中空にしないことも可能)、挿入電極の本数などは、ユーザーの要望に応じてデザイン可能。 ・機能の多様化:導電性材料、磁性材料、生体適合材料など様々な素材を巻き込むことで、多機能・高性能な複合ファイバーが作製可能。 ・製造装置の小型化:取扱いやすいサイズ。
従来のマイクロ流体デバイスは、平面基板上において半導体製造技術であるリソグラフィ法を利用して作製さ れている。しかし、平面以外の流路構造は実現できていないという課題がある。発明者らは、回転熱延伸装置を開発し、これを利用して立体構造を有する中空スパイラル状のマイクロファイバーを製造できた。さらに、その用途(例:マイクロミキサー)も考案された。 本技術のポイント: ・柔軟的なデザインが可能:ファイバーの材料(高強度、弾性材料の選択も可能)、サイズ、ピッチ、中空部分の形状(中空にしないことも可能)などは、ユーザーの要望に応じてデザイン可能。 ・製造装置の小型化:取扱いやすいサイズ。
半導体デバイスの高集積化に伴い、半導体回路に用いられる金属配線の高温化及び電流の高密度化が進んでいる。そこで問題となるのが金属疲労によるエレクトロマイグレーション(EM)損傷である。従来、積層化やリザーバの設置など、配線構造を工夫することによりEM強度を高める対策を行ってきた。一方で、これらは多くの工程が必要で、コストが高いという課題があった。 本発明は、従来より簡単かつ低コストな配線加工を施すだけで、EM損傷を抑制する手法を開発した。本発明は配線を流れる電流密度を緩和させるため、EM損傷に対する信頼性を高める技術である。
本発明は、ヒト免疫抑制性受容体 LILRB4(白血球 Ig 様受容体 B4)に特異的に結合し、その生理的リガンドであるフィブロネクチン (FN)との結合を阻害する新規抗ヒト B4 モノクローナル抗体に関する。 本発明のポイント: ・新規免疫チェックポイント阻害剤:B4-FN 経路は、B4 を介した免疫抑制機能の発現に関わるため 、本抗体を有効成分とする免疫チェックポイント阻害剤は、がん免疫療法などに新たな選択肢を提供する。 ・広範な疾患への適用:がん、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、アルツハイマー病などのB4が関与する幅広い免疫チェックポイント関連疾患の治療剤としての利用が期待される。
免疫抑制性受容体LILRB4(B4)は、PD-1に代表されがん治療等で注目される免疫チェックポイント(CP)分子の1つと期待されているが、その真のリガンドは不明であった。発明者の先願(関連文献1)では、B4の生理的リガンドフィブロネクチン(FN)の発見と、B4-FN結合阻害により免疫制御が可能であることの発見に基づく、新規免疫CP阻害剤とそれを含む治療剤を提供した。 本発明ではFN結合を阻害するB4のモノクローナル抗体を独自に作製し、B4をバイオマーカーとして肺がん患者の予後予測を検証できた。すなわち、予後不良群の早期特定により、免疫チェックポイント阻害剤治療などの適切な選択を支援することができる。
T細胞系の免疫チェックポイントに対する抗体医薬は多くの関心を集める一方、薬効は一部のがん患者に限定的と報告されている。そのため、薬効が確認できない患者向けとして、ミエロイド系免疫チェックポイントを阻害するコンセプトの治療薬開発が期待されている。そのうち、LILRB2(B2)及びLILRB5(B5)のリガンドと言われるMHC class 1はまだ仮説の域を出ず、またLILRB3(B3)はリガンドが不明であり、治療薬開発研究にかかせないリガンド特定が必要である。 本発明はB2、B5及びB3とインテグリン(ITG)と間の相互作用を見出し、それら相互作用を阻害することによる治療コンセプトを提案する。 本技術のポイント: ・新規相互作用の発見: B3などが細胞接着分子ITGのβサブユニットと直接結合し、免疫細胞の機能を抑制していることを特定した。 ・免疫細胞機能の根本的改善: 免疫細胞の接着・遊走・活性化に必須なITGの活性化を直接制御できるため、結合を阻害する物質(例:抗LILRB抗体など)を有効成分とし、抑制されていたITGの活性化を促進し、免疫細胞の機能を回復させる 。
■東北大学技術のご紹介 アジア文化特有の感情表現を紐解くため、アジア人による多様な感情を対象とした身体動作データベースDIEM-A (Diverse Intercultural E-Motion Database of Asian Performers)を構築した。 ・ 97人のプロの役者(日本から54人、台湾から43人)による10,000を超えるモーションキャプチャデータ&ビデオデータ ・ 12の感情(喜び、悲しみ、怒り、驚き、恐れ、嫌悪、軽蔑、感謝、 罪悪感、嫉妬、恥、誇り)とニュートラル状態の感情表現を収録 ・ 各感情カテゴリーは、パフォーマーが自ら用意した3つのオリジナルシナリオで構成され、 低・中・高の3つの強度レベルで収録 ・ シナリオは日本語、英語、中国語で提供され、感情の誘因となる文化的な背景を 詳細に説明する文脈情報が含まれている 研究用途には無償で提供しております 商用利用をお考えの方はお問合せください
緑内障は、網膜から脳へ視覚情報を伝達する網膜神経節細胞が徐々に脱落し、進行性の視機能障害を来す加齢関連の難治性眼疾患である。超高齢社会を迎えた我が国では罹患者数の増加が見込まれ、対策は喫緊の課題である。緑内障は多因子疾患であり、その一因として酸化ストレスが挙げられる。主要な酸化ストレス源である活性酸素種(Reactive Oxygen Species;ROS)は、ミトコンドリアでのATP生合成過程で恒常的に生じ、細胞毒性刺激下では過剰生産されて細胞死を誘発する。近年、システイン由来の超硫黄分子が従来の抗酸化物質より強力なROS消去能を有することが報告されている。また、ミトコンドリア型システイニルtRNA合成酵素(cysteinyl-tRNA synthetase;CARS2)が超硫黄分子の主要な生成酵素であることが報告されている。 本発明者らは、CARS2の発現増強または活性化により超硫黄分子の合成が亢進し、ROS産生および酸化ストレスが低下して、結果としてRGC死が抑制されることを見出した。本発明は、酸化ストレス依存的なRGC死を抑制しうる網膜・神経疾患の予防および治療に資する技術である。
■東北大学技術のご紹介 重症呼吸不全や酸素飽和度の低下を呈する患者に対して、体外式膜型人工肺(ECMO)が使用されているが、従来のシステムは大掛かりで侵襲性が高く、操作にも専門性が求められる。そこで本発明は、小型で簡便、かつ効果的な酸素化・二酸化炭素除去を実現するシステムを提案する。 具体的には、小型軸流血液ポンプを内蔵した二重腔構造のカニューレ(ダブルルーメンカニューレ)を用いた膜型酸素化システムである。中空糸膜を活用した酸素化層をカニューレ内部に構築し、カニューレ単体で血液の送血・酸素化・二酸化炭素除去を可能とする革新的な設計とした。 ・ポンプと酸素化器を一体化:追加の人工肺ユニット不要 ・単一ポート挿入:大腿静脈または頸静脈からの経皮挿入で、右心房までアクセス ・再循環制御:回転速度調整による流量・酸素化性能の最適化が可能 ・低流量下でのガス交換実証:Proof of Conceptとして、0.2 mL/minでの酸素化・CO₂除去性能を確認
マイクロニードルは、その微細針に薬剤を塗布/含有させ、組織に穿刺・薬剤溶出する侵襲の低い薬物投与方法として用いられる。一方で、マイクロニードルを用いた導入時の薬物動態に関する仮定は、薬品が治療効果に対して十分な投与量を導入した場合に限られており、安全性や有効性に関する定量評価には課題があった。 本装置は皮膚内部モデルを再現することにより、マイクロニードルの穿刺特性、例えば穿刺の深さ、穿刺の方向、穿刺の到達される皮膚もしくは皮下組織や血管、消化管など臓器または器官の組織への侵襲程度と領域、といった指標を定量的に評価することが実現できると考えられる。 特に、拍動を模擬した動的駆動機構や粘弾性等の物性調節機構を持たせることができる他、マイクロニードルの物理的な穿刺の程度もしくは穿刺時の対象物の動的な変形を含む力学的な相互変形作用を、ステレオカメラ等を用いて高精度に計測することができる。
セルロースナノファイバー(CNF)と銀ナノ粒子(AgNPs)のコンポジットは、優れた分散性を有する担体を形成できるため、銀の導電性・触媒特性・抗菌特性といった機能を最大限に引き出すことが可能である。また、担体であるCNFは植物由来で低環境負荷であることから、SDGsの観点からも注目されている。 しかし、従来の同コンポジットの作製手法は湿式還元法が主流であり、廃液が発生したり洗浄工程が必要となることから、環境負荷が高く、よりシンプルなプロセスが求められていた。 そこで本発明では、超音波処理によってCNFを均一に分散させるとともに、原料である酸化銀を同様に超音波で還元し、CNF/AgNPsコンポジットを作製する手法を開発した。この方法は環境負荷の高い原料を用いる必要がなく、簡便なプロセスでコンポジットが得られるため、従来課題を解決するものである。 さらにこの製法で作成したCNF/AgNPsの銀は高分散しており、また充填率が従来品より高いことから銀の特性を最大限に引き出すことも期待される発明である 整理番号:T25-046
プラチナ感受性再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対する初回治療として、ペムブロリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤:ICI)+化学療法(5-FU+シスプラチン/カルボプラチン)、またはcombined positive scoresによるPDL-1陽性例においてペムブロリズマブ単剤療法を行うことが推奨されている。二次治療としては、セツキシマブ(抗EGFR抗体)+パクリタクセル(CET+PTX)の併用療法が本邦では選択されることが多い。 発明者らの研究によると、一次治療としてのペムブロリズマブ療法への治療効果と、二次治療としてのCET+PTX療法への治療効果とは、相互排他的に相関する(右図)。遺伝子発現解析などにより、当相関に関連する指標物質が見出された。 本発明は、当該指標物質を測定することによる、対象患者における各抗癌剤の治療効果を予測するための方法に関する。
バイオテクノロジーやヘルスケア分野では、微細な温度変化や発熱量の高精度な測定が必要不可欠である。いくつかある温度センサの計測原理の中で,熱電対が最も使用されている.熱電対の性能(温度感度や出力)は構成する材料のゼーベック係数で決まる.熱電対に使用される材料は熱電特性をもつ固定で,そのゼーベック係数はせいぜい数百µV/K程度である。 本発明は、ゼーベック係数が高いイオン液体を熱電対に用いることで従来の個体熱電材料よりも圧倒的な高感度を実現し,液体を使用しているが故にフレキシブル化も可能な温度センサデバイスである.個体に対して,液体は界面を維持することはできない.その解決法として,マイクロ流体チップを用いて物理的には接触しないが,電気的には接続されている環境を構築して実現した.このデバイスにより,従来にない高感度で曲面を含む様々な環境での温度検出が可能となる。
■北海道大学技術のご紹介 単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)は、光学特性や伝導特性、電子移動度、機械的強度等に優れることから、次世代のエレクトロニクス材料として期待されている。SWCNTsの合成方法としてはレーザー蒸発法やアーク放電法等が知られているが、これらの方法で生成するSWCNTsには様々なカイラリティが混在しており、理想的な特性が得られにくいという課題がある。そのためSWCNTsのカイラリティを分離する手法として、ポリマーラッピングや密度勾配超遠心分離法といった方法が存在するが、前者は分離できるカイラリティが限定されていたり、後者は前工程の超音波分散処理でSWCNTsの長さが短尺化されるため最終的なデバイスにおける電気抵抗値が高くなってしまうという問題があった。 そこで、新たなSWCNTsの精製方法を開発したところ、本発明では様々なカイラリティの分離を長尺で実現、またカイラリティのエナンチオマーを分離することにも成功した。 本発明で得られる高純度なカイラリティを有する長尺のSWCNTsを応用することで、今まで実現が出来なかったような高速、高感度なデバイスの実現が期待される。
慢性腎臓病(CKD)は、世界の主要な健康問題の一つである。腎不全が進行すると透析に至るため、その治療法の開発が急務であるが、腎機能を改善する薬はない。 発明者らは、過去に、便秘症治療薬であるルビプロストンが腎機能の悪化に伴って変化する腸内環境を改善させることにより、体内の尿毒素蓄積を軽減させ、腎臓の障害進行を抑制する効果があることをマウスを用いた実験で明らかにしている1。 今回、発明者らは、ルビプロストンの腎機能に対する効果を検証する第二相臨床試験を実施した結果、ルビプロストンを投与した患者群ではプラセボ群と比較して腎機能(eGFR)の悪化が容量依存的に抑制されることを見出した。さらに、患者検体の網羅的解析から、ルビプロストンは腸内細菌叢を変化させることで、ミトコンドリア機能を改善するスペルミジンの産生を促進し、腎臓のミトコンドリア機能を改善することを明らかにした。
従来、てんかんの外科手術の際、切除するてんかん原性領域(EZ)は、脳波、CTやMRI、SPECTやPET等の検査結果を総合的に判断して専門医がEZを決定している。従来法は、1,精度の低さ、2,検査期間の長さ(最低1週間程度必要)、3,患者負担の大きさ(脳波計の設置とEZの切除の計2回の手術)、という点に課題がある。 本発明は、発作間欠時の高周波脳波を解析することで、てんかん発作を待つことなく、高精度かつ迅速に発作起始部(SOZ)およびEZを推定することができる。具体的には脳波計(電極)の設置後から、30分程度でEZを高精度に決定することができるため、理論上1度の手術でEZの決定から切除まで行うことが可能となり、患者負担を大幅に減らすことができる。 本発明を基にした、リアルタイム脳波解析ソフトウェアの開発やソフトウェアを搭載した脳波計への実装が期待される。
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は持続的効果や長期生存をもたらす。一方、効果のある患者が限定され、かつ治療費が高額であることから、事前の適応判定が不可欠である。現在、治療効果の予測に用いられているPD-L1発現検査などの免疫組織化学的手法は、腫瘍標本の局所的な発現の評価に過ぎず、全身の免疫応答を十分に反映してはいない。癌は全身性疾患であるため、血液中のバイオマーカーによって全身免疫を評価可能な手法が求められている。 発明者らは、扁平上皮癌患者を対象に、リン脂質の一種であるリゾホスファチジルコリン(LPC)の血中濃度とICI投与後の臨床成績との関連を解析した。その結果、高LPC群は低LPC群と比較してICI投与後の全生存期間が優位に延長することをことを見出した。LPCは血液検体で評価可能なため、腫瘍だけではなく全身の免疫応答を反映し、また生検不要で患者負担を軽減するという利点を有する。本発明はICI治療の効果を予測する新規臨床検査薬の開発に貢献することが期待される。
■北海道大学技術のご紹介 円偏光はキラル物質に対し右・左で吸収が異なる円二色性が知られる。 一方、光渦はスピン角運動量を持つ円偏光と異なり軌道角運動量を持ち、トポロジカルチャージ l は ±1、±2、±3… と理論上無限に取り得る。 この多様な自由度により、円二色性では困難だった物性評価やキラリティ識別、光学応答の新たな観測手法(光渦二色性)の実現が期待される。 しかし、従来の低周波変調に限られた光渦発生装置はノイズでSN比が悪く、十分な分析や測定が難しかった。 本発明は光学系の工夫で約50 kHzの光渦左右変調を実現し、ノイズ影響を低減して高感度化した。 効果として、従来の円二色性では観測が困難だったねじれ金ナノロッドダイマー(TND)の 「幾何学的ねじれ」を検出。これは微細配線の金属欠陥検出に有用で、半導体、MEMS、メタマテリアル等の不良検査への応用が見込まれる。 さらに、円二色性では観測できなかった新たな物性の発見・評価やキラリティ識別を可能にする技術展開が期待される。
■東北大学技術のご紹介 セルロースナノファイバー(CNF)は、木材繊維から得られる高結晶性微細繊維であり、軽量・高強度・低熱膨張といった優れた機械特性を有する環境適合型新素材である。この特徴を生かし、自動車部材や電子デバイス、ガスバリア材、医療用材料に用途展開が期待され、研究・開発が進められてきた。他方、CNFから成る単繊維を創成する技術の開発も行われており、高強度の長繊維が得られている。 このように、CNFを原材料にした機能性材料は多方面に展開されてきたなか、本発明はハイドロゲルの創製に関するものである。従来技術として、電気泳動や凍結架橋を利用する方法が知られていたが、大量生産には不向きであり、新しい手法が求められていた。 鋭意研究を重ねた結果、CNFの配向およびハイドロゲルの内部構造を精密に制御する手法を構築することで、不純物フリーの高強度ハイドロゲルを製造可能にした。制御パラメータをチューニングすることで、ゲルの強度を等方的から異方的なものまでデザインできることを見出している。
顎顔面手術は頭蓋骨と顎骨とをぴったり位置合わせることが必要で、そのための高精度なサポート手段が必要である。既存の手術ナビゲーションシステム(NS)は光学的なものであり、例えば内視鏡のカメラが撮影する部位の名称等を表示することが可能だが、手術中の位置合わせに向かない。一方、磁気式NSについて脳画像用の既存技術があり、精度が高いCT画像の取得を前提として応用されている。ただし、歯科領域では、金属補綴物がある場合などはCT 画像が明瞭でないことや、手術中にCT画像の得ることが困難であること等の課題が挙げられる。本発明は上記課題を解決しうる磁気式手術NSを提供する。 【本技術のポイント】 ・術前プランニング連携:CT/デジタルスキャンデータから作成した3D骨モデル上で治具の目標取付位置姿勢を設定 ・抜群の操作性:リアルタイムトラッキング、目標・現状それぞれの3次元座標軸表示、複数骨片の相対移動ガイド ・高精度:重なり具合でズレを直観的に把握でき、合わせ込みが容易のため、1mm以内の位置合わせ精度を実現(文献1) ・手術視野に邪魔しない:磁気方式で “光の遮蔽” 問題なし、手術を妨げないコンパクト設計
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素を排出しないため、化石燃料の代替燃料として利用が拡大している。しかし、アンモニアの燃焼性は化石燃料と比べると悪いため、アンモニア用燃焼器の開発にはアンモニアの酸化反応を促進させる何等かの燃焼支援手法が必要とされている。 アンモニア燃焼支援法として、強度の予熱や強力な点火器の使用などが考案されているが、高い熱エネルギーの必要性、高い熱負荷に対する材料コストの増加や耐久性の低下が課題である。そのため、より低コストで簡便な手法が求められていた。 本発明は、深紫外光を照射するのみで、容易にアンモニアの燃焼性を促進させることを見出した。図1に示すように、深紫外光によってアンモニアが励起し、励起したアンモニアは活性なラジカル(NH2とH)に分解され、燃焼反応を促進する。なお、水素火炎からの深紫外光発光は非常に弱いことから、電気デバイスによる深紫外光照射に必要なエネルギーは低く、本発明は簡便で低コストなアンモニア燃焼支援法である。
■東北大学技術のご紹介(T11-045) 健康状態を把握するために、採血による生体成分(血糖や乳酸など)の測定が行われている。しかしながら、持続的な測定が困難で、かつ侵襲的であるため使用者への負担が大きかった。そこで、本発明では長時間リアルタイムで生体成分を測定でき、且つ使用者に痛みを与えない生体成分測定センサを提供する。 具体的には、極微細な皮膚刺入針に特殊な加工を施して皮下組織液を透析のように回収する生体成分測定用のプローブを開発した。金属針表面に穴付き膜で覆われた流路を作製した微小還流針を皮膚に刺入・留置した状態で、流路に還流液(生理食塩水)を循環させる。濃度拡散(浸透圧)により皮膚組織内の物質が流路の穴を通って還流液中に入り込むため、これを体外まで流し、体外に設置したセンサにて計測した還流液中の濃度から血中濃度を推定する。 本発明は、微小な針を皮膚に貼りつけるだけで、非観血的で痛みが少なく、採血と同等の計測を連続的に行うことが可能である。 *関連特許(T25-009)についてはPDFファイルをご覧ください。
CO2を電気分解し、資源化する電気化学的CO2還元反応(CO2RR)プロセスは、抜本的なCO2削減手法として注目されている。しかし、従来法では、エネルギー効率が低いという課題があった。今回、発明者は、水熱反応場と呼ばれる高温高圧水環境を利用して、 CO2RRプロセスの高効率化が可能であることを見出した。 CO2で加圧した150℃、100気圧の高温高圧水条件で電気分解を行うと、水中のCO2の高い拡散係数と溶解度により、電極へのCO2供給が促進されるため、エネルギー効率を大幅に改善できることを明らかにした。 さらに、再生可能エネルギー由来の電力に加え、 工場の未利用低温廃熱の利用により、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」な基礎化学品(メタノール)の合成が可能なことを技術アセスメントによって示した。
量子アニーリングを古典コンピュータでシミュレーションするため、イジングモデルを用いたSimulated Quantum Annealing(SQA)が注目されている。発明者らは、全結合イジングモデルを用いるSQAアルゴリズムの多レベルの並列処理をField Programmable Gate Array(FPGA)上で実装可能とする並列アルゴリズムを開発した。(関連文献[1]) 本発明はスパース結合モデルに対応でき、古典スピン系のイジングモデルの解析をより高速に行うアルゴリズムに関する。これによりFPGAを用いた実用的な速度でのSQAの実行が期待される。
情報化社会の発展に伴い、より低消費電力、高速、小型なデバイスが求められているが、既存の半導体集積回路(CMOS)の微細化や高集積化には物理的・技術的な限界があるとされている。これは電子の移動を利用するデバイスでは発熱や遅延が不可避なためである。そこで発明者らは、スピン波(特に磁性絶縁体YIG中を伝搬するマグノン)を情報担体とし、電子の移動を伴わない情報通信技術の原理実証や演算素子の作製に成功している。 本発明は、前記マグノンを利用し、リング状の干渉部を用いて複雑な入力信号を適切なアドレスに出力するアドレスエンコーダ・デコーダ回路に関する。
東北大学技術のご紹介:安全・効率的で環境負荷の少ない地下岩盤破砕技術(T25-004) 地熱発電、二酸化炭素の地中貯留(CCS)、再生可能エネルギー由来の水素の地下貯留など、地下エネルギーインフラの構築においては、深度1000〜5000m、温度30〜300℃程度の岩盤に高浸透性のき裂を形成し、流体の通路を人工的に確保する技術が不可欠である。近年は、より安全・効率的で環境負荷の少ない技術の開発が強く求められている。 従来の水圧破砕法は、坑井からの流体圧入により岩石を破壊する単純な力学的技術であるが、高圧注入による誘発地震の懸念や、中程度の浸透性の岩石における流体損失とき裂開口の困難さ、あるいは開口した後の開口維持の困難さなど、複数の技術的・環境的限界が明らかになっている。このような背景から、化学的手法、特にグリーンケミストリーに基づく破砕法の革新が求められている。 本発明は、バイオベース反応性増粘流体を用いて、岩石を化学的に弱体化させながら、比較的低圧でき裂を形成、開口・進展させ、さらにき裂面溶解による凹凸形成を通じて、き裂の開口を維持し、浸透性を持続的に向上させることを志向した革新的破砕技術である。
■東北大学技術:T22-272 地球温暖化の原因物質である大気中CO2の削減に向けて近年、CO2と反応して炭酸塩鉱物を形成するカルシウム等の金属元素に富む玄武岩やかんらん岩などの苦鉄質岩や超苦鉄質岩を用いたCO2地中貯留が世界的に注目されている。しかし、CO2地中貯留の地下環境は通常、低温で反応性に乏しいうえ、地下の孔隙の量や連結性あるいは浸透性も十分に大きいとは限らない。これらの課題を解決する技術が必要である。またCO2を水に溶かしこんで貯留する方式では、海水の使用が望まれるが、海水中の金属イオンとCO2の反応をCO2の貯留が完了するまで一時的に抑制する技術も必要である。本発明は,鉱物の溶解を促進し、金属イオンを捕捉する植物由来・生分解性キレート剤を利用してCO2地中貯留と鉱物固定を促進するものである。本発明により地下の岩石層の鉱物を溶解して孔隙を形成し、孔隙の量と連結性(CO2貯留空間)を増大させるとともに浸透性(CO2の圧入性)を改善することができる。また、キレート剤を含む海水にCO2を溶け込ませて貯留すれば、孔隙を形成しながら、CO2と同時に炭酸塩鉱物の形成に必要な金属イオンも貯留するとができる。
エネルギー産生を担うミトコンドリアは、機能低下時に活性酸素種(ROS)の産生量を増大させる。ROSは神経変性疾患、糖尿病、がんなどの疾患の発症および悪化に関連している。なかでも、腸管上皮細胞のミトコンドリア活性低下は、腸のみならず全身の疾患に関わることが明らかになっている。 これまで、腸管上皮細胞においてミトコンドリア機能に影響を与える食品成分を同時に複数解析した例はない。 発明者らは、ブタ小腸管上皮細胞を用いてROS産生を抑制する作用を有する成分を検出する方法を構築し、スクリーニングを行った。その結果、研究室で有する乳酸菌の1種であるFFIG35(Ligilactobacillus salivarius)が、ROS産生を抑制し細胞の酸素消費量やATP産生量を改善することを明らかにした。 上記乳酸菌を食品に混ぜて摂取することで、様々な疾患を予防し健康寿命の延伸につながることが期待される。また、上皮に作用してミトコンドリア機能を改善するというメカニズムのため、外用剤(化粧品、入浴剤など)として活用できる可能性もある。
がんの再発率は平均して約20%であり、進行の早いがんでは5年以内の再発率が70%近いとも言われている。再発の原因として、放射線や薬剤に耐性を示すがん幹細胞の存在が指摘されている。近年、がん幹細胞をターゲットとした創薬研究に注目が集まるが、がん組織中にがん幹細胞は極めて少数しか含まれておらず、研究を困難としている。また、がん細胞からがん幹細胞を誘導する方法が複数提案されているが、いずれも培養コストや誘導時間がかかり、臨床応用できるものではない。 本発明は、がん細胞をダブルネットワークハイドロゲル(DNゲル)の上で培養することで、薬剤使用や遺伝子操作を行うことなく24時間でがん幹細胞を誘導する方法に関する。本方法で誘導されたがん幹細胞は、幹細胞マーカー遺伝子発現量が増加しており、かつマウスに注入されると少数でも腫瘍形成能を有する。 本方法によりがん幹細胞が簡便に作製可能となることで、再発や転移が起こらない根本治療を可能にするがん治療薬の開発促進が期待される。
半導体実装において、異種材料集積は極めて重要なプロセスであり、近年ではバンプを介した実装技術の高度化に注目が集まっている。 従来は、接合界面に応力を集中させることで強固な接合を実現するピラミッド型や円錐型のバンプが開発され、低温接合の技術として利用されてきた。しかしその一方で、応力集中によりデバイスや基板に損傷を与えるという課題があった。 本発明では、内部が中空構造となったバンプを開発し、この課題を解決した。中空構造により、バンプが低荷重で塑性変形し、新たな金属面が形成されることで、低温かつ低荷重での高信頼な接合が可能となる。本技術を応用することで、従来のバンプ接合における課題であるデバイスや基板へのダメージを大幅に低減できることが期待される。
耳科手術における内視鏡下手術は、近年飛躍的に発展し続けている。しかし、耳科手術操作は吸引、把持、牽引、剥離、切離、顔面神経刺激、電気凝固止血にて病変部位を摘出し、鼓膜や伝音再建を行うが、片手で全て行うことは容易ではない。従来、内視鏡固定装置を用いて両手で操作する手法があるが、内視鏡を自由に動かすことができず、患者が動くと視野がぶれてしまう。その他の従来法として、助手が内視鏡を持ち、術者が両手操作を行う3-hand surgeryがあるが、習得が難しく、狭窄部では手が干渉するため全ての行程で適用できない。 本発明の内視鏡アセンブリは、内視鏡と手術器具を片手で安定して把持し、自由な操作を可能とする。内視鏡と手術器具を可動性接続部で接続し、手術器具を持ちながら同じ手の指で容易に内視鏡の位置を容易に調整できる構成とした。また、視野を確保したまま片手で手術器具を操作し、もう片方の手で吸引、把持、牽引、剥離、切離などの操作を同時に行うことが可能である。
医療画像における腫瘍の診断には、Radiomicsという定量的な特徴量を計算する手法が用いられている。しかし、この手法では患部の輪郭を抽出したマスク画像の準備が必要となり、医師の負担が大きい。また、計算の対象はマスク画像で囲まれた範囲に限定されるため、腫瘍と周辺組織との関連性を評価できないという課題がある。 本技術は、腫瘍周辺の組織も含む範囲を四角形で囲み、その領域の相関係数に対してFourier解析を行うことで、相関係数の推移に含まれる周波数(Image frequency)を計算する、腫瘍の画像診断方法およびプログラムに関する。 特徴: 1. 正方形で腫瘍を囲むだけでよく、マスク画像が必要ない 2. 腫瘍と周辺組織の相互関係が定量化できる 3. 計算早い(1例あたり数秒)
■東北大学技術のご紹介 半導体化した強誘電体のセラミックスの中には、キュリー温度を越えると電気抵抗率が劇的に上昇するPTC サーミスタ特性を示すものが存在し、ペロブスカイト型BaTiO3を主成分とする材料が、高温や大電流発生時を想定した電気回路保護素子として広く利用されている。従来法による、絶縁体であるBaTiO3粉末の半導体化と焼結には、強還元性雰囲気と1400℃付近の高温が必要とされている。 本発明は金属Na蒸気を用いて、BaTiO3系半導体セラミックスを低温・低コストで合成する手法であり、粒子サイズの調整も可能である。
近年、医薬品製造などの分野において、細胞を大量培養することが求められている。培養の際、細胞を安定的に増殖させるためには、培養液中に蓄積するアンモニアを除去する必要がある。アンモニアは細胞に悪影響を与える老廃物の代表的なものとして知られている。今までは、透析の原理を利用して培養液から老廃物を除去していた。しかし、老廃物を充分に除去するために、成分調整液槽の容積を細胞培養槽の容積の10倍以上に設定していたため、必要な液量が莫大でコストがかかるという課題があった。 本発明によって、新しいアンモニア除去技術を提供することが可能になった。本発明の態様はアンモニア吸着剤およびアンモニア除去方法である。本発明のアンモニア吸着剤は、L型ゼオライト、フェリエライト、ZSM-5型ゼオライト、強酸性陽イオン交換樹脂およびプルシアンブルー型錯体のうち、少なくとも1種の物質を含むことを特徴とする。これによって、より効率良く細胞を培養することができる。
■室蘭工業大学技術のご紹介(MU24-001) ホウ酸アルミニウムウィスカーは、機械的強度や耐熱性などに優れており、主に金属材料の強化材として使用される。例えばその製造方法として、溶融剤を用いるフラックス法があげられる。しかし製造工程の最後に溶融剤とウィスカーとを分離する必要があるため手間がかかるという課題があった。 本発明は、液体溶媒を利用した反応工程を構築する事で従来法の課題を解決し、ホウ酸アルミニウムウィスカーの簡便な大量製造を実証したものである。より具体的には、金属アルミニウムをハロゲン化物イオンの添加やpH調整によりアルコールに溶解させ、さらにホウ素化合物と水の組成物を混合し、pHを再調整することにより析出した沈殿物を焼成するという工程である。そのように製造されたホウ酸アルミニウムウィスカーは、特にアルミニウムやマグネシウムの軽金属に親和性が高く、自動車エンジン部品や半導体の製造装置等の用途展開が期待される。
■東北大学技術のご紹介(T06-011_T07-149_T13-005_T14-156) ヘリウムは供給不安やコストが高いため、ヘリウムを用いた冷却システムは使用継続が困難な懸念がある。 本発明は、気体N2とスラッシュN2の二相流体を連続噴霧することで、ヘリウムを用いない急速冷却が可能である。具体的にはラバルノズルを用いて遷音速で噴霧することで、スラッシュN2を連続生成することを特徴とする。 細胞凍結の実施例では、液体窒素浸漬と比較して解凍時における細胞生存率が23%向上する結果を得た。本実施例に限らず様々な冷却システムへの適用の可能性がある。 また半導体洗浄において有害な薬液を使用しないレジスト除去への適用も検討可能である。
産業廃棄物や岩石、汚染土壌を含む固体廃棄物には、有害な重金属や資源となる希土類金属(レアアース)など様々な元素が含まれている。上記金属を回収するために、従来は抽出剤として強酸を用いて廃棄物を溶解し、電気化学手法で回収する手法が用いられてきた。しかし、従来法は化学薬品や電力を多量に消費するため環境的・経済的な課題がある。そこで発明者らは、環境にやさしいキレート剤を抽出液として利用することで固体廃棄物から金属イオン成分及び陰イオン成分を効率的に抽出し、その後抽出液から金属イオン成分及び陰イオン成分を回収する、抽出液を再生・再利用可能なプロセスの開発に成功した。 本発明は、汚染土壌の有害イオン除去処理への応用が期待され、土壌を処理場に運搬する必要がなくその場で処理できることが利点である。また、鉱物からのレアアース等の資源回収にも活用が期待され、さらに、固体廃棄物を利用したCO2鉱物化技術(例えば、特許第7345791号)と組み合わせて使うことも可能である。
溶媒に溶けている溶質が一定の温度(LCST)を超えると相分離する現象を示す化合物群が知られている。その代表としてポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAm)が研究されており、温度応答型スマートウィンドウへの適用事例が報告されている。しかし、PNIPAmのLCSTは31℃と一定であるため、より柔軟に外気温に応じたLCSTに対応できる化合物が産業上望まれていた。 発明者らは研究の末、新規化合物の合成に成功した。この化合物は、その構造の一部を改変させることで、LCSTを約25~55℃の範囲で制御可能であることに特徴を見出している。スマートウィンドウへの適用を考えた場合、その大半は電圧のON・OFFで透過・非透過を切替える方式のため電源を必要とする。一方で本件化合物を用いたスマートウィンドウは外気温の変化により自発的に透過・非透過を切替えるため、電源がない場所でも使用可能である特徴をもつ。さらに、光の透過具合に応じた熱のコントロールにより暑熱対策効果も期待がもてる。
■東北大学技術のご紹介 PAR1(Proteinase activated receptor 1)は7回膜貫通型受容体であり、転移性がん細胞のほとんどで発現している。本発明はPAR1のN末端細胞外領域の切断を阻害し、がん細胞の運動能・浸潤能を抑えるモノクローナル抗体に関する。
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