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株式会社株式会社東北テクノアーチ

住所宮城県仙台市青葉区荒巻青葉6-6-10 東北大学未来科学技術共同研究センター2階
電話022-222-3049
  • 公式サイト
最終更新日:2025/12/17
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東北大学技術:制約無く独立弾性定数を計測する方法:T22-140

測定対象に機械加工や表面処理を行うことなく、一度の 振動実験・振動解析で9つの独立弾性定数を計測可能

材料の特性を把握するため、基本的なパラメータである弾性定数を測定することは重要である。例えば、棒状などのシンプルな直線形状の物体では、引張試験などにより実験的に弾性定数を得ることができる。近年の3Dプリンタ技術の発展により、今日では多種多様な複雑形状の物体が成形できるようになった。一方で、このような力学的異方性を持つ複雑形状の物体の弾性定数については、従来技術では簡易に測定することが困難であった。 本発明は、力学的異方性を持つ複雑形状の物体の弾性定数について、簡易に測定する方法に関するものである。超音波共鳴法により対象物の 共鳴周波数を求めて実験的に得られる振動モードと、推定振動モードとを比較し、推定振動モードが実験値と一致するよう逆解析的に弾性定数を決定する。この比較について、アルゴリズム的な工夫を施すことで高精度に弾性定数を決定している。本測定方法の最も大きな特徴は、9つの独立弾性定数について、一度の振動実験・振動解析のみで計測できる簡易性である。

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東北大学技術:キャビテーションによる表面改質:T04-206他

気泡崩壊時に生じる衝撃力により、金属材料の 疲労強度などを向上させる表面改質方法

キャビテーションとは、液体の速度の増大に伴い、圧力が低下し、液体の飽和蒸気圧まで圧力が減少した結果、液体が気泡になる現象で、特に 微細気泡からなる郡列キャビテーションは大衝撃力を生じる。この現象を応用したキャビテーション・ショットレス・ピーニングは鋼球を用いる方法(ショット・ピーニング)と比較し加工面がスムースでかつ高い疲労強度が達成できる。 水槽を用いず、低速水噴流中に高速水噴流を噴射することにより、大気中での施工も可能である。

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東北大学技術:キャビテーション口腔洗浄装置:T10-105

脈動式ウォータージェットと比較してインプラントの隙間に蓄積したバイオフィルムを効率的に除去可能。臨床試験で確認済。

口腔内の歯やインプラントの表面に蓄積したバイオフィルム(または歯垢)を洗浄するために、歯ブラシ、脈動式ウォータージェットのような水流、歯科用超音波スケーラー、歯科用レーザー、含嗽剤などが用いられるが、これらは肉眼的なバイオフィルムを除去できても、インプラントの隙間に入り込んだバイオフィルムを除去することは極めて困難である。その結果、インプラント周囲炎や歯周病を発症して抜歯するケースが少なくない。そこで本発明では流動キャビテーションによってバイオフィルムを洗浄・除去する口腔洗浄装置を提供する。

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東北大学技術:小さな力で伸縮する高分子電解質:T19-753

発火や破裂の危険が少ない安全な電池の実現に貢献する

液体電解質を用いたリチウムイオン電池は発火や破裂の危険があるため、安全性の高い固体電解質の実用化が求められている。固体電解質の中でも高分子を用いたものは、優れた成型性と加工性から注目を集めている。そのため、様々な形状で高分子電解質を使用することができるが、電解質には大きな応力が掛かることになる。本発明は、伸縮性・柔軟性に優れた高分子電解質に関するものである。本電解質は小さな力で大きく伸長するため、掛かる応力を容易に分散することができ、高い耐久性を示す。

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東北大学技術:高周波磁界測定装置:T11-125_T12-162

サブミクロン以下の空間分解能を有した高周波近傍磁界測定法

GHz級の超高速通信が可能な携帯情報端末(スマートフォン、タブレット等)のRFIC(Radio Frequency IC)においてデジタル回路からアナログ回路に電磁ノイズが混入する問題が深刻化している。従来、ICチップ上の高周波近傍磁界を測定するためには、「高空間分解能」と「GHz帯の測定周波数」を有する測定法が必要であるが、既存の高周波近傍磁界測定法(Shielded loop coil型磁界プローブ、磁気光学プローブ、巨大磁気抵抗型センサー等)は、何れもその条件を満たしていない。 本発明は、磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope, MFM)探針を用い、場のうなりを利用するBeating Field方式による高周波近傍磁界測定装置に関するもので、具体的には磁界測定の妨げになる電界の分離(除去)を可能とする構成とカンチレバーの駆動部および検出部の変更構成とを追加するものである。

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東北大学技術:超弾性特性を示すCoCr合金:T20-542

30 GPa程度の低ヤング率と高耐摩耗性とを両立した合金

ゴムメタル(R)は2.5%程度の大きな弾性歪みを示す低ヤング率合金であり、医療機器やスポーツ用品等の分野で広く応用されている。ゴムメタル(R)は、弾性限界を超えると、99%以上冷間加工ができる超塑性的な特性を示すことで有名である。 本発明は、2.5%超の大きな弾性歪みと、超弾性特性を示すCoCr合金に関するものである。本合金はゴムメタル(R)と同等以上の大きな弾性変 形を示すが、さらなる変形を加えると超弾性を発現する点が、ゴムメタル(R)との違いである。また、弾性変形時のヤング率は30 GPaであり、生体骨と同等の低い値となることも特徴である。さらに、従来のCoCr合金に匹敵する高い耐摩耗性をもつことも特徴である。低ヤング率と高耐摩耗性は相反する特性であることから、これらの特性を両立する合金は極めて珍しい。 本合金は、大きな弾性歪み、低ヤング率、高耐摩耗性、超弾性特性を全て併せ持つ唯一の合金であり、さらには耐食性についても、従来の CoCr合金と同程度である。以上の特性を活用し、医療機器やスポーツ用品の原材料としての利用が大いに期待できる。

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東北大学技術:周波数スペクトラム再生方法:T21-156

IoTシステム間の干渉を避け、信号のスペクトラムを再生

近年、ワイヤレスIoTが普及し、異なるワイヤレスIoTシステム間の干渉を避けるための、周波数帯域リアルタイムスペクトラムモニタリング技術が開発されている。この技術によって受信された信号は、複数のアナログデジタルコンバーターによってアナログ信号からデジタル信号へ変換された後に元のスペクトラムが再生される。しかし、現在の技術では低損失かつ低歪みのチューナブルフィルタがないため、1つの装置で自由に帯域を設定する事ができない。その影響で、受信機のSoftware Defined Radio化が達成できないという課題がある。 本発明によって、ソフトウェアを用いたスペクトラム再生処理を実現することが可能になった。本発明の周波数スペクトラム再生方法は、折り返し雑音除去用の帯域通過フィルタを用いず、受信した周波数スペクトラムをサンプリングし、それぞれの周波数スペクトラム要素を結合したベクトルを生成し、優決定条件型のアルゴリズムにより解を算出し所定の帯域を抽出することを特徴とする。これによりソフトウェアを用いたスペクトラム再生処理を実現することができる。

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東北大学技術:通信システム及び通信方法:T21-133

バックスキャッタ信号を処理し、サイドローブを抑圧

Internet of Things (IoT)社会では、あらゆるモノをインターネット等のネットワークに接続することになる。工場を例に考えると、工作機械の基部に設置された複数のアンテナ素子を備えるアクセスポイントにより、比較的高速に移動する工作機械のアーム先に取り付けられた物体のセンサーノードをトラッキングすることができる。センサーノードの位置を捉える方法として、アクセスポイントで発信した信号のバックスキャッタ波を用いる方法が知られている。しかし、バックスキャッタの変調周波数信号の近傍に、サイドローブが発生するという課題がある。本発明によって、復調信号スペクトラムに表れるバックスキャッタの変調周波数信号の近傍に発生するサイドローブを抑圧させることが可能になった。本発明のアクセスポイントは、受信した変調信号と送信信号とを乗算して、変調信号を復調することを特徴とする。これによって、復調信号スペクトラムのバックスキャッタの変調周波数近傍に発生するサイドローブを抑圧させることができる。

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東北大学技術:レアアースフリー電磁波吸収体:T20-2979

10 GHz以上で良好なノイズ抑制効果を示す電磁波吸収体

IoTデバイスの増加や5Gの普及により、機器内部の伝送回路から発せられるノイズ電磁波が深刻な問題となっている。これらのノイズ電磁波の周波数は3GHz程度であるため、100-101 GHzオーダーの電磁波を吸収可能な電磁波吸収体が求められている。現在、FeSiAl合金の扁平粉末を樹脂と混合した電磁波吸収体が実用化されているが、吸収帯(共鳴周波数)はMHzオーダーに留まることが課題であった。 本発明は、形状磁気異方性の向上というアプローチに基づき、3~12GHzの吸収帯と、10 GHz以上での優れたノイズ抑制効果を実現した 電磁波吸収体に関するものである。大きな二相分離構造のFeCoCr合金を用いることで、大きな形状磁気異方性を達成している。右図に示す通り、電磁波吸収能と伝送減衰率は市販の5G用ノイズ抑制シートの2倍を示している。さらに、本電磁波吸収体はレアアースを含まないため、経済安全保障の観点からも有用である。

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東北大学技術:制約あり二次計画問題の効率的解法:T22-365

量子アニーリングで制約あり2次計画問題を解法可能

昨今、世の中にあるほぼ全ての組合せ最適化問題は制約あり2次計画問題で表されている。しかし、その解法にあたり、そこからさらに罰金法等を適用し変形して制約なし2次計画問題に変換し、変換後の数式にて量子アニーリングでの演算を行うが、その変換にて、膨大な計算リソースを要する冗長な変数を生成してしまい、実質演算が不可能な問題があった。 本技術は、全ての組合せ最適化問題を量子アニーリングで解法するための手法であり、実質どのような最適化問題においても解法可能となった。

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東北大学技術:3次以上の非線形変換等の解法:T19-377 他

現状の量子アニーリングで複雑な最適化問題を解くことが可能

イジングモデルを用いた量子アニーリングマシンでは、量子効果を使ってイジングモデルを表す関数の最小値を探すことで最適化問題等を解くが、量子アニーリングマシンは隣接する量子ビット間の相互作用を用いるため2次形式で表される最適化問題しか扱うことができないという問題があった。 本技術は、ニューラルネットワーク等に用いられる非線形変換等の3次以上の項を含む方程式を量子アニーリングマシンで扱うことが可能となる。

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東北大学技術:流動制御方法:T23-028

流動性を制御し、効率的な資源回収へ

石油や地熱などの地下資源の回収では、注入井から水を流し、資源を含む流体を生産井から汲み上げる手法が行われている。注入井から生産 井への流路ネットワークは複数存在し、それぞれ異なる流動性を有する。流体は流動性の高い流路ネットワークを優先的に流れることから、流動性の低い流路ネットワークから資源を効率的に回収できないという課題があった。従来、流動性の低い流路ネットワークからより多くの資源を回収するためには追加で坑井を掘削する必要があるが、坑井は1本数億円規模のコストがかかる。 本発明は、流動性の異なる複数の流路において、それぞれの流動性能(流速)の大きさを逆転させる手法を見出した。すなわち、本発明は流 動性の低い流路ネットワークの流動性を高め、効率的な資源回収に貢献することが期待される。

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Fe-Ni-B/Fe-Co-B微粒子:T23-034

1 GHzまで渦電流損失を抑制し、共鳴周波数の 高周波シフトを実現

■東北大学技術のご紹介 サブミクロンサイズの磁性微粒子は、数GHzで動作する高周波機器の材料としての活用が期待されている。 5Gの活用が進み、高周波ノイズの抑制が課題となる中で、サブミクロンサイズの磁性微粒子の需要が大きくなっている。しかし、一般にサブミクロンサイズの微粒子を製造することは難しい。例えば、原料を粉砕していくようなトップダウン型の製法では、ミクロンサイズ粒子の製造が限界であり、金属イオンを還元して析出させるようなボトムアップ型の製法でも、微粒子が凝集してミクロンサイズの二次粒子が形成されてしまう。加えて、複数の金属イオンを還元して化合物微粒子を析出させる際は、組成の制御が難しいという課題も存在する。 本発明は、Fe-Ni-B/Fe-Co-B軟磁性体のサブミクロン微粒子を製造する方法に関するものである。右上図に示す通り、凝集の無い真球状の一次粒子ができ、さらに組成の制御が容易に行えることが特徴である。右図は、本微粒子の複素透磁率の周波数特性である。1 GHzまでμ’’が0付近となり、数GHz帯でピークを示すことから、下記のような応用が期待できる。

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東北大学技術:蓄熱材料:T21-164_T24-017

水の吸収・脱離で熱を制御するエネルギー密度・反応速度・可逆性に優れる素材を提供する

近年、地球環境保護の観点から、持続可能なエネルギーの有効活用技術の開発に注目が集まっている。廃熱のなかでも工場廃熱の大部分を占める100-200℃程度の低品位廃熱を有効活用する熱回収システムの構築が望まれている。これを実現するため、これまでに種々の蓄熱材料が提案されている。しかし、吸熱⇔放熱反応に結晶構造の大きな変化を伴うため、特に低温度領域では反応速度の遅さや反応の不可逆性が課題であった。  本発明によって、低品位廃熱の低温度領域においても大きな蓄熱量を有する蓄熱材料を提供することが可能になった。従来より電池材料として利用されてきた二酸化マンガンの層状構造に着目し、研究を進めた結果、環境中の水分が層間に挿入・脱離することに伴って十分な速度で放熱・吸熱反応が起こり、繰り返し使用できることを明らかにした。さらに研究を進めた結果、水分の吸着量を増大させることに成功し、より高密度に熱を吸収・放出できることを実証している。

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東北大学技術:バックホウの積込タイミング予測法: T20-084

バックホウとダンプトラックの効率的な協業へ

 バックホウからダンプトラックへの土砂の積み込み作業の自動化を実現するためには、バックホウに対するダンプトラックの停車位置を予測するだけでなく、バックホウが積み込みの準備を完了するタイミングを予測する必要がある。積み込みタイミングに合わせてダンプトラックが移動することで、無駄な待ち時間を減らすことができ、スムーズな積み込み作業が実現できる。しかし、バックホウが土砂を均す時と、積み込み時は同じ動作(例えば土砂を掬い取る動作や、旋回する動作)が含まれているため、これらの作業過程を区別することが難しい。  本発明はバックホウに複数個所取り付けたセンサから運動データを取得し、隠れマルコフモデル(BP-HMM)を利用して原始的動作のパターンを抽出し、積み込みタイミングを予測することが可能となった。

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磁気センサ、 磁気センサ測定回路装置:T23-005

直流から低周波数磁場まで高感度に測定する

■東北大学技術のご紹介  従来より、広いダイナミックレンジと高感度を備えた磁気センサの研究・開発がなされてきている。センサを構成する方式は、SQUID磁束計やホール素子など様々なタイプが提案されているなか、機械的な共振周波数を利用したカンチレバー型の磁気センサは、低消費電力で小型にも有利であり、ダイナミックレンジが広くできる可能性があることから注目を集めている。しかしながら、共振周波数近傍では高感度を発揮する一方、直流成分を含む共振周波数以下の磁場に対しては感度・分解能が充分ではないという課題があった。  本発明は、カンチレバー型の磁気センサに関するものである。感磁部の構成を工夫することで、感度と帯域幅とをチューニングすることができる。これにより、高感度で広い帯域幅をもつ磁気計測を可能にする。

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東北大学技術:高周波イオンビームの発散角制御:T22-115

発散角を小さくし高強度・低損失のビーム 発散角を大きくし均一なビーム

高周波放電によりプラズマを生成しイオンビームを引き出す装置において、プラズマ生成部に用いる高周波電場が、プラズマ生成部から離れたビーム引き出し界面にまで漏洩し、界面を振動させるため、ビーム発散角が広がりやすい。これにより例えば核融合のプラズマ加熱源としての利用を考える場合、プラズマ生成部まで十分な強度のビームが届かないことが課題となっていた。 本発明は、とある手法でビーム引き出し界面の振動を相殺してビームの発散角を狭め、高強度のビームをプラズマ生成部に照射するイオンビーム発生装置に関する。またその逆にビーム引き出し界面の振動を重畳させて、ビームの発散角を広げ、例えばビームによる加工の大面積化を達成することも可能とする。

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セラミックス積層体およびその製造方法:T21-249

東北大学技術シーズのご紹介:金属・金属化合物の被覆の剥離や割れを抑え防食性を確実に発揮

 炭化ケイ素材や炭化ケイ素繊維強化型複合材は、ジルカロイをはじめとした金属に代わる原子炉等の次世代構造材料として期待されている。炭化ケイ素の機械的特性はセラミックス構造材料として優れるが、放射線照射や高温、高圧水等の環境に曝される場合には、防食被覆が必要となる。対策として金属被覆が行われているが、このような環境では、熱膨張係数差やスウェリング差によって基材との剥離や割れが発生し、防食機能を充分に発揮できないという課題があった。  本発明は、基板上に炭化ケイ素層と中間層と被覆層とを積層していることを特徴とする。その結果、基材との熱膨張係数差やスウェリング差を緩和し、防食機能を向上させたフルセラミックスで構成される炭化ケイ素材や炭化ケイ素繊維強化型複合材を提供可能になった。

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東北大学技術:バイオ発電スキンパッチ: T12-177

イオントフォレシスによる薬剤浸透や美容効果が期待される外部電源不要な使い捨てパッチ

 皮膚表面から薬剤を浸透させる「経皮投与」は湿布やニコチンパッチ等に利用されている。また、微弱電流によって薬剤の浸透が加速される「イオントフォトレシス」は局所麻酔剤の高速投与や美容成分の浸透促進等に利用されている。しかし、イオントフォトレシスの発生には電源や配線が必要であり、家庭での個人使用には適していない。本発明は、酵素を担持した電極を利用することによって外部電源を必要としない使い捨て可能なパッチに関し、イオントフォレシスによる薬剤浸透や美容効果が期待される。 【効果】 ・酵素によるバイオ発電を利用するため外部電源が不要 ・有機材料のみで構成されているため使い捨て可能である ・最大電流は0.5 mA/cm2未満であるため安全性が高い ・薬剤浸透が促進していることをブタ皮膚を用いた試験で確認済み

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東北大学技術:糖尿病性腎症の判定マーカー:T15-027

フェニル硫酸塩は糖尿病性腎症発症リスクの予測因子となり得る

 糖尿病性腎症 (DKD) は全糖尿病患者の約20~30%に発生する。 糸球体濾過率 (GFR) とアルブミン尿の測定のみに基づいて進行性DKDを発症するリスクのある2型糖尿病患者を同定することは困難である。本研究では、動物実験およびU-CAREコホート研究により、硫酸フェニル (PS) が進行性DKD発症の予測因子およびリスク因子であることが示された。

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東北大学技術:聴覚機能訓練方法:T20-337

ゲームを通じた楽しい聴力トレーニング!

 加齢による聴力の低下は、高齢者の会話などの日常的なコミュニケーションを困難にする。聴力が低下している高齢者に対しては、補聴器などの装置によるサポートが主流となっているが、高齢者自身の聴力改善を行うことはできなかった。従来の聴力を改善させる手法として、ホワイトノイズと一緒に音を聞くトレーニング方法があるが、単調でつまらないためトレーニングが継続できないという問題点があった。  本発明は、ゲーム(脳トレ)を行いながら、聴覚刺激の音量を徐々に小さくしていくことで、聴力を鍛える方法である。ゲーム形式のため、高齢者が楽しく、意欲的にトレーニングを続けることができる。また、高齢者自身の聴力が改善され、装置や環境に関わらず快適な生活を送れるようになることが期待される。

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東北大学技術:TAQingシステムを糸状菌に応用:T22-154

糸状菌休眠遺伝子由来の二次代謝産物の生産が可能

 糸状菌が生産する天然物から多数の医薬品が開発されている。一方、糸状菌のゲノム上には、医薬品の候補となり得る未開拓天然物の生合成遺伝子が数多く休眠していることが報告されている。発明者らは独自に開発した大規模ゲノム再編成技術「TAQingシステム(制限酵素TAQ1を細胞に導入することで同時多発的にDNA二本鎖を切断し、その後の組み替え修復により多様なゲノム再編成を生じさせる手法)」によって、休眠している生合成遺伝子が活性化された糸状菌の形質変異株を多数作製し、野生株では生産されない天然物の顕著な生産誘導に成功した。 TAQingシステムを用いた二次代謝活性化法の開発は、モデル糸状菌であるAspergillus nidulans を用いて検討を行っている。

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東北大学技術:CO2吸着剤及び反応促進剤:T22-004

二酸化炭素を吸着したまま、アミン類との反応に用いることができる!

 大気中あるいは、排ガス中の低濃度CO₂を有用化学品製造に利用する為には、CO₂を圧縮・精製する必要があった。 当該手法ではコストとエネルギー消費が大きく、化学品メーカー等が積極的に活用するには大きな障壁があった。本発明はチタンジルコニウム酸化物のポーラス体がCO₂を常温・低圧で吸着すること、及び吸着させたまま化学反応に おけるCO₂供給源として利用できることに着目した、金属酸化物およびその用途の発明である。

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東北大学技術:排ガス浄化用触媒およびその製造方法:T08-078

優れたCO酸化性能と高度な触媒活性を両立

 従来から、多孔性金属は排ガス浄化触媒の分野に利用されてきた。この多孔性金属として、孔の内部に更に1段以上の孔が形成されている孔が含まれる多孔性金属薄膜が知られている。また、1次粒子の粒径が200nm以下の金属微粒子が複数個集まり、接触部分が融着して形成された孔径1μm以下の多孔性金属粒子が開示されている。しかし、従来の多孔性金属は排ガス浄化用触媒として利用した場合、十分な触媒活性を有するものではないという課題があった。  本発明によって、COの酸化性能に優れ、十分に高度な触媒活性を有する排ガス浄化用触媒およびその触媒の製造方法を提供することが可能になった。本発明は、特定の金属とAlとを含有する合金を得た後に、その合金からAlを溶出させることにより、中心細孔直径が微小な細孔を有する多孔性金属が得られることができる。また、本発明の中心細孔の直径は1~15nmであることを特徴とする。このような中心細孔直径を有する多孔性金属を備える排ガス浄化用触媒は、高度な触媒活性を有することが確認された。

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誘導型交流電位を用いた非破壊検査装置:T05-236

東北大学技術のご紹介:電流を非接触で誘導し、電位差を測定することによりき裂の形状を測定する

近年、試験片に近接した位置で電流を検査対象に誘導する電磁誘導現象を利用した集中誘導型交流電位差法に対し、誘導線を試験片から離し、遠隔的に電流を検査対象に非接触で誘導する「遠隔誘導型電位差法」が注目されている。本発明では、厚肉の裏面き裂および、管内面のき裂に対し、本手法を適用しその有効性を確認した。

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全方向移動を実現する走破性の高い駆動機構:T16-008

シンプル機構で全方向移動を実現!凹凸不整地をあらゆる方向に走ります!!

■東北大学技術のご紹介 狭い空間での移動に適した全方向移動機構の発明です。 シンプルな機構で全方向に移動します   従来:全方向移動機構は、複雑&大型      沢山の入力を同調制御   発明:構成要素は5つだけで、シンプル&小型      2つの入力の回転速度の比率を変えるだけで、      全方向移動を実現 段差踏破性、走破性に優れています   踏破性:車輪半径と同じ高さの踏破を実験で確認       ⇒屋内の敷居、カーペットを乗り越え可能   走破性:1つ車輪が空転しても、他の車輪で移動       ⇒床材がバラバラ、凹凸のある屋外でも走行         動力伝達に非接触ギアの磁気歯車を採用       ⇒粉じん環境、寒暖差のある環境でも走行       ⇒機械油を嫌う衛生環境でも運用可能

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東北大学技術:トルクセンサの製造方法:T12-094

金属ガラス被膜を溶射によって形成する トルクセンサの製造方法

従来のトルクセンサの回転軸の磁歪部を構成する磁性材料は、高透磁率と高磁歪の二つの特性が求められるため、アモルファス合金が適している。しかし、回転軸表面にアモルファス合金の薄帯を接着剤で貼り付けて固定すると、回転軸との密着性が高くないため、十分な検出特性が得られないという課題がある。また、高速溶射プロセスによって回転軸表面に金属ガラス皮膜を形成する場合でも、非晶質金属粉末の微粉を使用しなくてはならないという制約があり、製造コストがかさむという課題がある。  本発明によって、トルクの検出特性や製造コスト等について改善したトルクセンサおよびその製造方法を提供することが可能になった。本発明は、回転軸の表面に金属ガラス皮膜を含む磁歪部を有するものである。金属ガラス皮膜は金属粉末を含む火炎を噴射して、金属粉末を溶融させるとともに、火炎が回転軸の表面に達する前より冷却方式を用いて金属ガラス皮膜を形成することを特徴とする。これによって、簡単かつ迅速に磁歪部が形成される。また、トルク検出に関してすぐれた特性を発揮する。

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東北大学技術:電波計測技術:T22-003

空間中の電波伝搬特性を高精度に測定

空間中の電波伝搬特性を実測/シミュレーションする方法には、計測機器間の有線接続に起因するケーブル由来の計測値への干渉、計測機器間を無線接続する場合に採用する無線通信のスペック、空間形状や空間中にある障害物の有無の影響を反映してシミュレーションを行うが、そのシミュレーション結果の精度に課題があった。 今回紹介する電波計測技術では、計測機器間(基地局-移動端末間)の無線通信を利用して電波計測を行うことで前述した課題を解決した。 本技術は、基地局-移動端末間で互いに時刻、周波数及び位相を同期させた上で、計測対象空間を移動する移動端末と基地局との間で無線通信をする電波の伝搬特性を、移動端末の各位置情報と対応付けて時系列的に連続して計測する技術である。 現状、伝搬障害があった場合等での電波計測結果/可視化について一部原理検証実施済みである。

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東北大学技術:乳酸吸着剤および乳酸の除去方法:T19-083他

乳酸の除去効率を高めつつ、細胞や微生物の増殖に与える悪影響を低減

 近年、医薬品製造などの分野において、細胞を大量培養することが求められている。培養の際、細胞を安定的に増殖させるためには、培養液中に蓄積する乳酸(細胞に悪影響を与える細胞老廃物)を除去する必要がある。今までは、透析の原理を利用して培養液から乳酸を除去していた。しかし、乳酸を充分に除去するために、成分調整液槽の容積を細胞培養槽の容積の10倍以上に設定していたため、必要な液量が莫大でコストがかかるという課題があった。  本発明によって、乳酸の除去効率を高めつつ、乳酸や乳酸除去処理が細胞や微生物の増殖に与える悪影響を低減する、新しい乳酸除去技術を提供することが可能になった。本発明の態様は乳酸吸着剤であり、複数の金属水酸化物層の層間に保持される陰イオンおよび水分子とを有する層状複水酸化物を含むことを特徴とする。また、本発明が乳酸を含有する溶液に接触すると、溶液中の乳酸を吸着する。これにより乳酸の除去効率を高めることができる。

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東北大学技術:ノッキング予測方法: T22-260

DNSを再現する高精度なノッキング予測方法

 ノッキング現象はエンジンの熱効率向上の阻害要因であるが、ノッキングの詳細な発生メカニズムは、流体力学や化学反応の複雑な相互作用のため、完全に解明することは困難とされていた。  発明者らは、反応性流体の基礎方程式を計算するDNS(Direct Numerical Simulation)を実施し、世界で初めてノッキングの実験データとの一致を確認した[1]。さらにノッキングの発生メカニズムを詳細に分析したところ、極限的な条件においては、燃焼化学反応波である火炎が、火炎として存在できなくなり、激しい全体的な着火に遷移せざるを得なくなる「臨界条件」が存在することを突き止めた。そこから着火と火炎の等価理論を構築し、ノッキングの発生条件を導き出すことに成功した[2]。  本発明によって、これまで不可能とされていたノッキング発生を精度良く、かつ比較的簡易に予測することが可能となる。

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東北大学技術:粘膜細胞採取装置:T22-103

粘膜組織から低侵襲で繰り返し細胞採取が可能

 生細胞の体内時計の状態を解析する事で、自身の体調、病気診断や予防に役立つことが期待されている。従来の細胞採取方法は、皮膚生検、脂肪吸引、毛髪採取、綿棒で口腔粘膜からの採取等あるが、いずれも侵襲度が高いという課題がある。本発明は、超音波を用いて粘膜から低侵襲的に細胞採取可能なデバイスに関する。  粘膜組織から繰り返し細胞を採取するため、ランジュバン型振動子、金属棒、流路付き治具を使用し低侵襲の細胞採取デバイスを作製した。ブタ摘出食道粘膜組織から細胞採取実験を行った所、1分間に約3,000個の細胞が採取できた。

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弘前大学技術:流量計監視装置:K23-018

医療現場のニーズに応える装置です!

酸素流量計は、医療の場において、呼吸療法をはじめとし、重症患者に 対して、生命維持装置である人工心肺等にも幅広く使用されています。そ の流量値は医療従事者が数時間毎に監視しているのが現状です。小児の人工心肺等に使用する場合は、数週間単位で微量な流量調整が必要になり、もし流量が停止すると分単位で致命的な結果に繋がってしまいます。 本研究で開発した酸素流量計は、流量計の内部に触れることなく、視覚表示、聴覚表示又は双方表示で、外部から流量の変化を監視することができます。 【実用性】 ・ボンベが空になったことをお知らせ浮き子が流量の上限値と下限値の範囲内にあることを常時監視し、流量の変化だけではなく、ボンベが空になった場合、瞬時にお知らせします。 ・測定開始忘れ防止 発光部・受光部センサを上下に2対セットすることで、上下どちらのセン サが先に浮き子を捉えたかがわかるので、浮き子が上からきたか下からきたかがわかります。浮き子が監視測定範囲内から逸脱したと判断した場合、警報が作動します。そのことから流量吹送開始前から電源を入れることが可能となり、吹送時の電源の入れ忘れを防止できます。

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東北大学技術:直径1mm以下の多機能ファイバ:T21-243

電気化学センサ、温度センサ、光ファイバ、中空流路 等を備え、能動的に駆動する多機能ファイバ

カテーテル等の体内治療器具について、患者の負担を軽減するため、 器具の小型化・細管化は重要である。また、1つの治療器具に種々の機能を追加することで、患者への体内挿入を1度にまとめることで、さらに患者 の負担が軽減できる。例えば、先端を自在に動かせるアクチュエータによって、光ファイバや各種センサ等を患部まで移動させる多機能ファイバの開発が盛んである。しかし、従来の多機能ファイバは、直径が2-6mmのものが多く、患者の負担が小さい物とは言えないものであった。 本発明は、直径1mm以下の多機能ファイバに関するものである。本 ファイバはアクチュエータを備えて能動的に駆動でき、さらに電気化学センサや温度センサ等の各種センサ機能、光ファイバから光照射する機能、中空流路から物質を導入する機能など、様々な機能を備えた細い多機能ファイバである。また、製造方法が極めて簡便であることが最大の特徴である。右下図は、本ファイバをドーパミン検出に応用したものである。本発明の多機能ファイバによって、10nMオーダーのアドレナリン検出に成功した。

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東北大学技術:高精細分光イメージングシステム:T17-025

小型、高精度な分光イメージングシステムを提供物質の成分などを迅速に非破壊で画像、動画化

分光イメージングとは、ある範囲内、各位置の分光情報を取得し、その 情報を画像化する技術のことをいう。分光イメージングを応用して物質の 分析や同定が行われているが、従来の分光イメージング装置は装置の小 型化、動画対応、高精度な分析が困難という課題を有していた。 本発明は高感度イメージセンサと高速チューナブルバンドパスフィルタを組み合わせた分光イメージング装置に関する発明であり、以下特徴を有する。 ・ 非破壊、非接触、迅速に分光イメージングが出来る。 ・ 小型、ポータブル、低価格な分光イメージング装置を提供できる。 ・ 高精細な分光動画像を得ることが出来る。 ・ 液晶に電圧を加えることで透過波長を任意に制御することが出来る。 上記特徴を生かし、本発明は食品製造加工における食物の成分分析、 異物混入検査、農業における生育、収量調査、医療分野における成分検査などに応用が可能である。

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東北大学技術:IRSの通信事業者間共用手法:T22-319

機械学習を利用して、最適なIRS共用状態を実現

無線通信ネットワークを改善する手段として、IRS(IntelligentReflecting Surface)が知られている。IRSはメタマテリアル素子を集積したデバイスであり、メタマテリアル素子を制御することで、デバイスに入射した電磁波を任意の方向に反射させることができる。これにより、遮蔽物の陰など電波が届きづらい場所にも有効な通信環境を提供することが可能となり、超高速通信を利用可能なエリアを拡張することができる。しかし、各通信事業者がそれぞれ独自のIRSを配備することによる、通信設備・配線等の増加による景観破壊、資源・エネルギー消費の増加、システムの冗長化といった問題が想定される。そのため、IRSを通信事業者間で共用する手法の確立が求められていた。本発明は、機械学習のアルゴリズムを用いて、IRSを複数事業者間で共用する手法に関するものである。

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東北大学技術:折り畳み式電池:T19-848

長期保管が可能な、折り畳める電池用シート

金属極(負極)/電解質/空気極(正極)で構成される金属空気電池は、他の電池に比べて軽量であるというメリットがあり、補聴器用の電源として実用化されている。一方で、電解質との接触に起因する金属極の劣化や、他の電池と比較して低電圧であることが課題として指摘されていた。本発明は、上記の課題を解決する新形態の金属空気電池に関するものである。本電池は、シート上に複数の金属極、電解質、空気極を配列し、シートを折り畳むことにより金属極/電解質/空気極の積層体が複数形成される、「折り畳み式金属空気電池」である。シートを折り畳むことで電池として機能するため、不使用時には電解質と金属極が接触せず、劣化を防ぐことができる。また、右図は、積層体のセル数を増やしたときの電圧の測定結果である。折り紙の要領でセルを複数積み重ねることにより、金属空気電池の低電圧性の問題も解決できる。本電池は従来課題を解決し、さらに折り畳み式という新たな形態であることから、下記用途等での実用化が期待される。

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東北大学技術:摩擦抵抗を低減する砂状粗面:T22-118

移動・輸送機関(自動車、航空機、新幹線、リニア、ドローン、etc…)の燃費向上

航空機や自動車の燃費向上のために、機体や車体の表面における空気抵抗、特に摩擦抵抗を低減することは有効である。摩擦抵抗低減の従来技術としてリブレット加工が知られるが、流体の流れる方向とリブレット加工の方向とが所定角度以上ずれると、かえって摩擦抵抗が増加する問題があった。一方、摩擦抵抗低減を目的とした粗面の研究例は少ない。  また層流(穏やかな流れで摩擦抵抗が小さい状態)または乱流(乱れている流れで摩擦抵抗が大きい状態)それぞれ個別に着目したシミュレーションは盛んに行われているが、層流から乱流への遷移に着目したシミュレーションは少ない。  本発明は層流から乱流への遷移に着目してシミュレーションを行い、砂状粗面が層流から乱流への遷移を遅延させることおよび摩擦抵抗を低減できることを解明した。したがって移動・輸送機関の表面に本発明の砂状粗面を適用すれば、摩擦抵抗を低減し、燃費の向上等が期待される。 

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東北大学技術:次世代光干渉計:T23-038

通信量増大に伴う、光干渉計の占める面積増大に対し、面積の制約を緩和する。

 光干渉計(例えばマッハ・ツェンダ干渉計)に基づく光回路は、光量子コンピュータ、光AIアクセラレータ、空間多重伝送通信等の、光を用いた次世代型情報処理技術のハードウェアとして重要視されている。従来、大規模な情報処理を行うためには大規模な光回路が必要であり、回路規模には光学テーブルやウェーハの面積の制約があった。  本発明の光干渉計を用いることで、前記の面積の制約を緩和し、光回路のさらなる規模拡張が可能となる。

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東北大学技術:空気漏れ測定システム:T22-130

肺瘻などの肺の空気漏れを簡便に検出可能

 肺瘻は肺切除術後に頻度の⾼い合併症であり、その同定や評価の⽅法としては,未だに古典的な⽔封試験が主に実施されている。しかし、従来法では修復の評価のためには何度も生理食塩水を満たして除去する必要があること、シートを使った修復の際には生理食塩水が接着性を下げてしまうこと等の課題があった。近年、別の方法としてインドシアニングリーンのエアロゾルを吸⼊させ、近⾚外線カメラを⽤いて同定する研究が報告されたが、作業が煩雑であり安全性も未知数であるため、より簡便な方法が求められている。  東北大学 加齢医学研究所 呼吸器外科学分野 渡辺有為先生は、胸腔内の局所の酸素濃度をモニタリングすることで、簡便かつ高精度に短時間で肺瘻の評価を行えることを見出した。本発明は肺瘻評価システム及び当該システムを搭載した医療機器に関する。本発明を実施した空気漏れ検出装置の開発、実装が実現すれば、従来法に比べて圧倒的に簡便に肺瘻の同定及び評価を行うことができる。

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東北大学技術:防水マイクロフォン:T23-010

信号変換方法を工夫し、周辺環境に乱されない音波検出を実現可能に!

 マイクロフォンに代表されるように周辺環境の情報取得に音波を用いる装置の産業利用が行われている。近年では、輸送分野(自動車等)の自動運転を実現する目的でさまざまなセンシング技術が研究されているなか、音波計測を検知デバイスとして活用する技術に注目が集まっている。従来、検知手段としてレーザーやカメラの検討がなされてきたが、雨等の荒天時に検出感度が低下することが自動運転の実現には大きな障害となっており、技術革新が望まれていた。  本発明は、音波を電気信号へ変換する過程を見直し、信号変換方法を工夫することで、周辺環境の擾乱に強い検知デバイスの実現を可能にするものである。

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ウルトラファインバブルを用いた複合粒子:T20-3142

レーザー吸収率が向上することで3Dプリンタで造形しやすく、耐食性、耐熱性、耐酸化性なども改善

■東北大学技術のご紹介  3Dプリンタにおいて、金属粒子を溶融させるエネルギー量を低減させるためには、金属粒子の表面にnmオーダーのセラミックス粒子を分散させ、金属-セラミックス複合粒子として表面積を広げることが有効である。また複合粒子は耐食性、耐熱性、耐酸化性などの諸特性が向上するメリットもある。  しかし、金属粒子とセラミックス粒子は共に水中で正に帯電するため、均一な複合粒子の作製が困難であるという課題がある。本発明者らは以前にカーボンナノチューブを用いて複合粒子を作製し、表面電荷調整用の薬剤やバインダを使用しないことに成功している。  本発明はウルトラファインバブルを用いることで、カーボンナノチューブすら添加せずに、完全に不純物を除去した均一な金属-セラミックス複合粒子を作製する技術に関する。得られた複合粒子を3Dプリンターで造形することで、諸特性を改善した複合部材を実現することが期待される。

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東北大学技術:感染症流行を早期に検知する:T21-311

下水中の感染症関連バイオマーカーを検出する電気化学センサー及びシステムの構築

 近年、 社会に大きな被害をもたらすウイルス性感染症に対して、都市下水中に含まれる疫学情報を利用し、 感染症患者の発生や感染流行を早期に検知する下水疫学的手法が注目を集めている。 現在、 感染症に関する下水疫学調査は、主にウイルス遺伝子を対象として、 定量 PCR によって検出することで行われている。 しかしながら、 下水試料の採取からウイルス遺伝子の検出・定量に時間がかかることや、ウイルス濃度が低いためにサンプルの濃縮が必要であること、分析にかかるコストや人的負担が大きいことなどの課題が残されている。  そこで本研究では、 迅速かつ簡便に下水中の感染症関連バイオマーカーを検出するセンサーの構築に取り組んだ。バイオマーカーは、ウイルスそのものと比較して高濃度で感染症患者から排出されるものが好ましく、 本研究では抗ウイルスヒト Immunoglobulin (Ig) A を試験物質とした。 サンプル中の IgA を電極表面に固定化したタンパク質との抗原抗体反応によって捕捉し、 反応に伴う電極表面状態の変化を電気化学測定によって検出する測定系の構築を試みた。

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弘前大学技術:自動注射装置:K23-019他

完全非接触な自動穿刺ロボットの実現へ!

 今日の臨床医療において、採血は病気の診断や治療を行うために頻繁に行われており、医療従事者不足の問題が指摘されている。また、臨床医でも肉眼で血管を見つけることが難しい患者もおり、施術に失敗するリスクがあるほか、針刺し事故や血液接触による感染症といった重大な問題も抱えている。これらの問題を解決するためには、ロボットによる採血の自動化が有効であると考えられる。  これまで様々な採血ロボットの研究が進められているが、多くの自動穿刺ロボットには超音波画像診断装置が使用されている。感染症の拡大を予防することを考えると、できるだけ患者と非接触で血管位置を推定し、自動穿刺を実現することが理想的である。  本発明は、2台の赤外線カメラを使った完全非接触な三次元血管位置の特定方法に関する。カメラの視線方向による屈折の違いを考慮することで、血管位置を高い精度で特定することが可能となった。

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弘前大学技術:歩行特性評価システム:K23-008

場所や時間に縛られず、三次元歩行特性を評価可能!

 運動機能と認知症の関連性が指摘されており、その指標の一つとして歩行速度の調査が行われている。また、医療現場で実施される歩行計測では、歩行障害の診断・評価に有効と考えられる歩行パラメータの収集が行われており、これらを解析することで、歩行障害の診断や治療効果の判定を効果的に行うことができる。  従来の歩行評価方法として、ストップウォッチや歩数計、ビデオカメラ等を用いた計測方法があるが、いずれも一歩毎の特性を、場所や歩行距離に拘束されずに評価することは困難であった。その他の従来法に、慣性センサを用いて、つま先の加速度を積分して歩行特性を評価する方法がる。しかしながらこの手法では、前方歩行にしか適用できないという課題があった。  本発明は、被験者の足に装着できる小型軽量のセンサを用いて、一歩ごとの足爪先の3次元軌跡を生成する方法に関する。また、3次元軌跡から、歩数、歩幅、歩調、歩行速度、足爪先と歩行面との距離、および足爪先の振り上げ角度の各3次元歩行特性を評価可能である。

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東北大学技術:軟質薄膜の物性値測定方法:T06-028

超音波を用い厚さ数μmの高分子膜の密度を測定。

本発明は、厚さが数μm程度の薄い高分子製などの軟質薄膜に対し、超音波エコーの振幅スペクトルを解析し、超音波が軟質薄膜を通過する際に生じる音響共鳴現象を利用して単体の軟質薄膜の物性値を高精度に測定する方法である。従来法では、基板上に密着した薄膜の物性値を測定することは可能であったが、単体の薄膜を測定することは困難とされていた。本測定方法では、特殊構造の治具に薄膜を保持させ、真空引きすることにより、薄膜を基板に密着させて、超音波測定時に障害となる空気層を完全に除去することにより、音響インピーダンス、密度などの物性値測定が可能となった。

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