東北大学技術:高安動脈炎診断マーカー:T17-007
高安動脈炎患者で出現する血清マーカー
高安動脈炎は、血管炎症候群のうち、大型血管炎に分類される。従来、高安動脈炎の診断は、血管造影等で行われており、血液などで簡便に診断できる方法が確立されていない。本発明者らは、高安動脈炎患者において出現する抗血管内皮抗体(AECA)を2種類、同定した。これらの抗体は、高安動脈炎診断マーカーとして有用と考えられる。
- 企業:株式会社東北テクノアーチ
- 価格:応相談
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高安動脈炎患者で出現する血清マーカー
高安動脈炎は、血管炎症候群のうち、大型血管炎に分類される。従来、高安動脈炎の診断は、血管造影等で行われており、血液などで簡便に診断できる方法が確立されていない。本発明者らは、高安動脈炎患者において出現する抗血管内皮抗体(AECA)を2種類、同定した。これらの抗体は、高安動脈炎診断マーカーとして有用と考えられる。
便中の腸内細菌で腎癌を診断できる!
腎癌の診断においては、有効な血液マーカーがなく、超音波、CT、MRI等の画像診断が採用されている。これらの診断は健康診断 等において必須項目でないことが多く、自発的な検査が必要であるが、腎癌は自覚症状が出にくい為、発見が遅れるという問題が ある。本発明では腎癌患者の便から腎癌に特異的な属を特定した ことに基づく、新規腎癌マーカーに関するものである。
父親の検体を検査することで、子供の自閉症スペクトラム発症率を予測できる。
自閉症スペクトラム障害とは、社会的相互交渉の質的異常、コミュニケーションの質的異常、および興味の限局と反復的行動のパターンを特徴とする発達障害群であり、子供を持ったときの父親の年齢が高いほど子供の自閉症スペクトラム障害罹患率が高いと報告されている。本発明者らは、野生型父マウスの月齢が高いほど仔マウスにおけるH3K79me3のメチル化レベルが高いこと、同レベルが高いほど自閉症スペクトラム障害モデルマウスのモデル行動とされている超音波発生(USV)の減少が著しいことを確認した。
緑内障モデルマウスの検体からマーカーを特定。ヒト臨床検体データ取得中。
視神経障害の代表例として、緑内障が挙げられる。緑内障は自覚症状がないため、患者が気付ないまま、症状が進行してしまい、最悪の場合、失明に至ってしまう。従来、緑内障の診断においては、主に眼底検査が行われているが、簡便な方法とは言い難く、また、スループット性の高い診断方法でもない。本発明者らは、緑内障モデルマウス(視神経挫滅マウス)の網膜を用いてメタボローム解析を行い、緑内障の進行度に伴って変化する複数のマーカーを特定した。特定したマーカーは、緑内障などの視神経障害マーカーとしての活用を期待できる。現在、ヒト臨床検体(血液等)でのデータを取得中である。未発表データ(ヒト血液検体データ)あり。
尿路上皮癌特異的な血清IgのN結合型糖鎖変異を発見
本発明は、血清イムノグロブリン(Ig)N結合型糖鎖構造変異による尿路上皮癌診断バイオマーカーに関する。 尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われている。しかし感度、特異度ともに十分ではなく、早期に尿路上皮癌を検出可能で非侵襲的な新規マーカーが望まれている。 そこで発明者らは尿路上皮癌特異的な糖鎖変異を同定し、関連糖鎖をスコア化することで高い精度で疾患を検出できることを明らかにした(右図)。また、レクチンアレイにより上部尿路上皮癌を判別可能な2種類のレクチンを同定、血清採取から解析まで全行程を4時間で完了可能とした。 【従来技術に対する優位性】 ・血清マーカーのため、膀胱鏡検査より低侵襲的。 ・尿細胞診の診断精度を遥かに凌駕する診断精度。AUC > 0.9 ・尿路上皮癌の早期診断マーカーとして利用を想定
BACH1による遺伝子X発現制御は膵臓がんの上皮間葉移行に関わるキーネットワーク
膵臓がんは有効な治療薬や早期診断マーカーが無く、アンメットメディカルニーズに位置付けられて久しい。本発明は、転写因子BACH1による、FOXA1の発現抑制が腫瘍細胞の上皮間葉移行を亢進させることを確認したことで裏付けられる、BACH1及びFOXA1の膵臓がん予後予測マーカーとしての用途に関する。BACH1をノックダウンした膵臓がん細胞株ではFOXA1のmRNA量が上昇し、BACH1を過剰発現させた膵臓がん細胞株ではFOXA1の発現量が低下する(図1)。つまり、FOXA1はBACH1の発現制御を受けることが確認された。また、BACH1ノックダウン膵臓がん細胞株では、コントロールと比べて有意な遊走能、浸潤能の低下がみられた(図2)。加えて膵臓がん患者の予後を解析したところ、BACH1 Low/FOXA1 Highに分類される患者の予後が最もよく、BACH1 High/FOXA1 Lowの患者の予後は最も悪い(図3)。この傾向は、BACH1-FOXA1のネットワークで制御される膵臓がん細胞の転移/浸潤能との関係から説明できる可能性がある。
生産性の高い全雄品種の育種年限が短縮できます
アスパラガスの露地栽培では、雌株(XX)と比較して雄株(XY)の方がより生産性が高いため、雄個体のみを生ずる種子集団(全雄品種)の育成が好まれている。全雄品種は、超雄株(YY)と雌株 (XX)を交配することで育成されている(図1)が、超雄株と雄株を外見から識別することは難しく、DNAマーカーを用いても超雄株選抜には1~2年の年月が必要であった。 超雄株早期判別のため、2018年にRM17マーカーが開発されたが、紫アスパラガスでは利用できず、ハマタマボウキ等の近縁野生種でも利用できるかが不明であり、新たなマーカーが望まれている。 そこで本発明では、アスパラガスやハマタマボウキにおける性染色体を判別する新規DNAマーカーSSM01を提案する。本DNAマーカーの利用により、グリーンアスパラガス、紫アスパラガスだけでなく、ハマタマボウキ などの近縁野生種における超雄株を苗の段階で選抜することが可能となり、育種年限を大きく短縮することができる。
ミトコンドリアに高特異性・高精度な酸化ストレス評価が可能に
酸化ストレスは、活性酸素が過剰に発生してDNAやRNA変異、蛋白質の変性などの生体酸化損傷を増加させる現象をいい、様々な疾病や老化亢進をもたらすと言われている。生体で生じる活性酸素の9割以上が酸素呼吸の場であるミトコンドリアで生じており、ミトコンドリア内では酸化損傷を受けやすいことが知られている。しかし、今まではミトコンドリアに特異的な酸化ストレスマーカーは存在しない。 本発明は初めてミトコンドリアのtRNAに対する酸化ストレスマーカーとしてms2Aを見出し、ミトコンドリア特異的酸化ストレスレベルの評価方法を提供する。